【インタビュー】「お客様とは料理で繋がっている」入社3年目調理スタッフに聞いた未経験からの挑戦とこれから

シーズンごとに淡路島の食材を使ったバラエティ豊かな料理が楽しめる「絶景レストラン うずの丘」。その厨房で調理スタッフとして働く入社3年目水上くんに、仕事の向き合い方や今後の目標を中心にお伺いしました。

金属加工から料理の道へ

—まずは入社したきっかけを教えてください。

僕は高校を卒業して、金属加工をする会社に約2年半ほど勤めてから、絶景レストランうずの丘の調理スタッフとして入社しました。
金属加工の仕事は、作業自体は楽しかったのですが、僕には会ってないのかな?となんとなく感じていましたね。そこで次は何の仕事に就こうかなと考えた時に、高校在学中に調理師免許を取得していたこともあり、料理人になろうと思い立ち転職しました。

—ありがとうございます、入社した当初の感想を教えてください。

調理師免許はあるとはいえ、調理現場での経験は0でした。
はじめは覚えることがめちゃめちゃ多いなという印象でしたね。
料理するだけでなく、出汁の取り方、魚の切り方など覚えることだらけ。
今でも出汁の取り方は、家で練習したりもしています。

—未経験から新しい業種に飛び込み、継続していくには、勇気と根気が入りますよね。

そうですね。
魚の調理技術に関しては、今でもわからない部分が多く、先輩に横に付いて教えてもらっています。
魚の切り方、形のクセ、包丁の扱い方など、学ぶのはとても楽しいです。
YouTubeの動画を見てわかった気になっても、実際調理してみると全然違う。
仕事の現場で失敗して学び、自分の中に技術が染みついていく感覚がありますね。

—なるほど、ちなみにこれまでどんな失敗をしましたか?

魚を捌(さば)く時、包丁を入れてはいけない中骨の部分を切ってしまい、綺麗に切れなかったことなど単純な失敗をたくさんしました。
もちろん失敗は今でもします。
でもそのおかげで、包丁を動かす回数を少なく、大きく使えば上手く切れるということを学びました。

—失敗しても前向きに仕事に向き合えるのはすばらしいです。失敗しながらも捌(さば)いていく中で、一番印象に残っている魚はいますか?

アコウなどの根魚は、捌(さば)くのが難しいです。
体がヌメヌメして、綺麗に捌(さば)くことができず、苦戦しました。
力技ではなく、技術が必要なんだなと改めて感じた魚です。
あとはアナゴです。
目に杭を打ち、包丁を入れて皮を剥ぐようにして捌(さば)ていくのですが、身が捩(よじ)れるのでとても難しいです。
こんな長い魚はどうやって捌(さば)くのかな?とずっと疑問でした。
どちらも何度も挑戦していくうちに、綺麗な形に切れるようになりなりました。

いつかは追いつきたいやさしい料理長

—難しそうですね。これから捌(さば)いてみたい魚はいますか?

淡路島の夏の旬魚「鱧(はも)」の骨切りには挑戦してみたいですね。
鱧(ハモ)は、皮と骨の距離がかなり近い魚です。もちろん皮は切ってはいけないですが、浅く包丁を入れてしまうと、骨が残って食べずらくなってしまいます。かといって深く切りすぎると形が崩れてしまうので、絶妙な感覚が必要です。骨切りした後に、裏返すと皮に包丁の跡が薄っすらと見えるぐらいが理想なんです。

—完璧に骨切りされた鱧(はも)の食感は絶妙ですよね。次に「絶景レストラン うずの丘」の職場の雰囲気を教えていただけますか?

僕よりも年上の方が多い職場ですが、質問すればすぐ答えてくれて、困った時には助けてくれる心のやさしい方が多いなという印象です。
特に、森料理長は尊敬できる上司だと僕は感じています。

—-森料理長のどんなところを尊敬していますか?

視野が広く、魚、肉など幅広く料理ができるところですね。
仕事のスタイルというか性格的に、僕はひとつの作業を終わらせてから次の作業に移るという進め方が得意なタイプです。
しかし森料理長は、マルチタスクで色々な仕事を進めていける方で、どんなに忙しくなっても冷静に周りを見ながら色々な作業を同時でこなせる。そしてクオリティの高い料理をお客様に提供しています。また僕の性格を考慮してくれた上で、言葉を選びコミュニケーションをとってくれているのが伝わりますね。
いつかは追いつきたいと思える存在ですね。

—すばらしい上司がそばにいるんですね。ではその目標に近づいていくために、今後はどんなことに挑戦していきたいですか?

お客様に提供しても恥ずかしくない、魚の切りつけや盛り付けができるようになりたいですね。
また僕が考案したメニューを、お客様に食べていただくことを挑戦し続けたいです。
厨房の中で働いていると、ホールスタッフに比べてお客様と関わることや、感想を聞ける機会は少ないです。
でも僕は、「料理を通してお客様と繋がっている」と感じています。これからも自分の考案したメニューがたくさん注文される日々が訪れてほしいです。

—水上くんが以前考案した「島レモンカレー〜サクラマスのレアかつ&サワークリーム〜」もお客様から好評だったと聞きました。最後に現在考案中のメニューはあるのですか?

ありがとうございます。
現在、淡路島の外周を自転車で一周するサイクリングルート「アワイチ」に挑戦される方が急増しています。
そこで淡路島を訪れたサイクリストの方々のために、思い出に残るおいしいカレーを提供できないかと「アワイチカレー」を試作中です。
ボリュームや味などお客様に喜んでいただけるカレーにしたいですね。
2024年6月中旬までには上市したいなと考えています!

—おいしいアワイチカレーを楽しみにしています!ありがとうございました!

仕事をしていると、悔しい日、うれしい日、何もおこらない日が過ぎ去っていく。
コツコツと積み重ねた日々は、きっと未来への糧となる。
今日も水上くんは、旬魚に一刀を入れながらまっすぐに料理と向き合っていく。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!