誰もが安心して働ける障がい者福祉事業所
自社製「しいたけ」の納品、玉ねぎのネット詰めなどの内職作業の請負いで当社をサポートしてくれている「森の木ファーム株式会社」。「福祉で社会をリデザインする」をコンセプトに、障がいを持った方が働くしいたけ工場の運営、就労や生活の訓練を行う会社です。今回は代表の松本さん夫婦と一緒に椎茸工場を見学しながら、事業に対する想いやこれからを伺いました。
森の木ファーム株式会社は、南あわじ市賀集地区で障がいを持った方が中心となって働くしいたけ工場として始動しました。現在では、就労支援B型、就労移行支援、自立訓練、就労定着支援、放課後等デイサービスの5つの事業を行なっています。「就労継続支援B型」の事業のひとつが菌床椎茸栽培です。特性や体力などの問題から雇用契約を結んで働くのが難しい人を対象に、菌床しいたけ栽培を通してスキルの向上や安心して働ける職場を提供しています。
森の木ファームの椎茸の特徴
森の木ファームが自社栽培するしいたけの特徴は、まず菌床から手作りしているところです。この菌床は、おが粉と栄養体を混ぜたもので、一つ完成すまでに100日ほどかかります。成分はすべて自然由来のもので、農薬や化学肥料は不使用。しいたけ栽培という役目を終えた菌床は、地元農家の方達に土壌改良材として無償で提供しています。
次にしいたけを自社工場で栽培から出荷まで一貫して行なっていることも特徴です。「工場内ではしいたけを栽培しやすい環境を維持しているのですが、夏場も冬場も空調管理が大変です。一つの菌床から約4回しいたけを収穫することができますが、夏場は1回しか収穫していません。また夏場は冷房、冬場は暖房を多く使うので、しいたけ栽培に適した環境維持に電気代や灯油代などかなりのコストがかかります。ナチュラルなように見えてエネルギーをたくさん必要とする野菜で、作業量に波があることも大変なところです」と解説してくれた松本さん。
収穫作業は障がいを持った作業者を中心に3人で行い、ひとつの菌床からしいたけは約30本採れ、1日に平均180kgほどを収穫。その後に等級ごとに選別されて市場や販売店に納品されていきます。
「選別は軸を切って、秀、ひらき、奇形という等級ごとに分けて、パック詰めと袋詰めをしていきます。サイズが大きい方が食感があって一般的に好まれますね。飲食店やホテルなどでは使いやすい小ぶりなサイズの椎茸が人気です」出荷される前のしいたけを手に取りながら丁寧に教えてくれた松本さん。森の木ファームのしいたけが食卓に並ぶまで、人手や時間など手間暇がかかることが伝わります。
最後の特徴は味と安全性です。
鍋がおいしいシーズンになると一気に需要が高まるという森の木ファームのしいたけ。プリッとして歯ごたえのある食感と、口の中にグッと溢れる甘みが特徴です。菌床と同じく農薬や化学肥料不使用で育てられ、金属探知機を通してパッキングを行なってから出荷されています。安心安全でありながら味や食感にもこだわったしいたけに、地元のファンも増えてきたと松本さんは言います。「イベントなどに参加すると地元のお客様から「いつも買ってるで!」、「美味しいからまた買いに来ました!」という言葉をいただくことが増えてきましたね。ありがたいし、うれしくて、モチベーションになります」。
地域社会を変えていく「お互い様」の意識
代表の松本さんと一緒に森の木ファームで働くようになったという、妻の恵里奈さん。利用者の方をサポートする日常の中で、心が温まる瞬間が垣間見えると言います。「利用者の方たちが内職した商品を一緒に視察しに行く機会があったのですが、「これは僕たちを信頼してるから貰えている仕事やな」という言葉を聞いた時は感動しましたね。利用者の方に自信が芽生える瞬間に立ち会えて、いい仕事だなぁと思えました。これからもしいたけを栽培することを通してたくさんの方たちと交流して輪を広げていきたいですね」。
松本さんは、みんなができる範囲で支えあう「お互い様」の意識がこれからの社会では大事なのではないかと感じています。「森の木ファームはしいたけを育てるだけでなく、働くことにサポートを必要とする方への就労支援や、発達に心配のあるお子さんが通えるデイサービスなどの事業も行っています。うちのしいたけを通して森の木ファームを知っていただき、「あのしいたけの会社だったら安心して何でも相談できるな」と感じてもらえる会社を目指しています。また将来的には、これまでの森の木ファームでの障がい者支援の経験を生かし、誰でも持ちえる「生きづらさ」の解消を、お手伝いができるような居場所やサービスを作っていきたいですね」。
森の木ファームで栽培されたしいたけは、売上から材料費を引いた額を全て施設利用者の方への工賃として還元しています。「しいたけ事業を成長させることは、利用者さんの生活の質の向上につながる。私たちの責任は重いと感じています」松本さんの地域社会をリ・デザインするというミッションは、まだまだ続いていきます。
うずの丘大鳴門橋記念館と森の木ファームのコラボイベント開催
うずの丘 大鳴門橋記念館では、2023年11月4日、5日の2日間に「森の木ファーム」さんとコラボしたイベント「うずの丘 秋のしいたけ祭」を開催します!
淡路島オニオンキッチンカーは、うずの丘 大鳴門橋記念館で2日間限定「淡路島 白いうずしおカレーうどん」を販売いたします!
鳴門海峡にかかる雲海とうずしおをイメージしたカレーうどんは、雲海のような特製クリームソースをかきわけると、
カレーの海からうずしおをイメージした森の木しいたけが現れます。やみつきになる濃厚でクリーミーなカレーうど
んにフライドオニオンをそえておめしあがりください。
各店舗や会場で大人から子供まで楽しめるしいたけづくしの2日間です!たくさんの方のご来館お待ちしております。